プロジェクト管理ツールとは? あると仕事の何が変わるのか、やさしく解説
この連載について
「はじめてのプロジェクト管理ツール」は、ツールを使ったことがない方に向けた、全6回の連載です。どの回からでも読めます。
- プロジェクト管理ツールとは? あると仕事の何が変わるのかこの記事
- Excelのタスク管理は、どこで限界が来る?
- チャットやメールの頼まれごとは、なぜ流れる?
- 少人数のチームに、プロジェクト管理ツールは必要?
- プロジェクト管理ツールが使われなくなるのはなぜ?
- はじめてのプロジェクト管理ツール、何を見て選ぶ?
「あの件、どうなりましたか?」
展示会まで、あと3週間。パンフレットの入稿、ブースで使う備品の手配、招待状の発送。準備は5人で分担しています。ところが、どれが終わっていて、どれが止まっているのかを、だれも一度には答えられません。確かめるには、一人ずつ聞いて回るしかありません。
こうした場面は、業種を問わず、複数の人で進める仕事ならどこでも起きます。プロジェクト管理ツールは、この「聞いて回る」を減らすための道具です。
この記事では、どんなツールがあるかではなく、「あると仕事の何が変わるのか」を説明します。専門用語はなるべく使いません。
※この記事は、GeckoFlagの開発元が書いています。
プロジェクト管理ツールを、ひとことで言うと
プロジェクト管理ツールとは、「誰が、何を、いつまでに、今どうなっているか」を、チームの全員が同じ場所で見られるようにする道具です。
「プロジェクト」という言葉は大げさに聞こえますが、ここでは「始まりと終わりがあり、複数の人が関わる仕事」という意味です。展示会への出展、会社案内の作り直し、店舗の改装、新しい人の採用。どれも当てはまります。
こうした仕事は、細かい「やること」の集まりです。展示会なら、パンフレットを作る、備品を借りる、招待状を送る、当日の当番を決める、といった具合です。
ツールは、この「やること」を1件ずつ登録し、担当する人と締め切りを書き添えて、全員が見られる場所に並べます。基本は、これだけです。
ツールがない現場で起きていること
ツールがない現場では、同じ4つの困りごとが繰り返し起きます。展示会の準備を例に見ていきます。
最新の表がどれか分からない
やることの一覧をExcelで作り、メールに添付して回す。よくある始め方です。
ところが数日たつと、「準備リスト_修正版」「準備リスト_最新」「準備リスト_最新(2)」が、それぞれの人の手元にできあがります。どの表が正しいのか、もうだれにも分かりません。
連載第2回「Excelのタスク管理は、どこで限界が来る?」で詳しく取り上げています
頼んだことが流れていく
チャットで「招待状の宛先リスト、金曜までにお願いします」と頼みました。相手からは「了解です」と返事が来ました。
その後、別の話題が30件ほど続き、依頼は画面のずっと上に流れていきます。金曜の夕方に思い出すのは、たいてい頼んだ側です。
連載第3回「チャットやメールの頼まれごとは、なぜ流れる?」で詳しく取り上げています
担当者が休むと止まる
備品の手配を担当していた人が、体調を崩して数日休みました。業者にどこまで話が通っているのか、見積もりは届いているのか。経緯は、その人のメールの受信箱と頭の中にしかありません。
残った人は、業者に電話をかけて、一から聞き直すことになります。
状況を知るために、聞いて回る
冒頭の場面です。全体をまとめる人は、進み具合を知るために全員へ声をかけます。聞かれる側も、そのたびに手を止めて答えます。
仕事を進めるための時間が、確かめるための時間に削られていきます。
どれも、だれかが怠けているから起きるのではありません。情報が、人ごと、道具ごとに、ばらばらの場所にあることが原因です。
あると変わる4つのこと
先ほどの4つの困りごとは、ツールがあると次のように変わります。
1やることが1か所に集まる
一覧は、ツールの中に1つだけです。だれかが書き換えると、全員が見ている一覧がそのまま変わります。
「最新版はどれか」という問いそのものが、なくなります。
2担当と締め切りがはっきりする
やること1件ごとに、担当する人と締め切りを書く欄があります。
頼みごとは、会話の流れに埋もれません。終わるまで、一覧に残り続けます。「了解です」のあとに忘れられることが減ります。
3経緯が残る
やり取りは、やること1件ごとに書き込みます。「業者に見積もりを頼んだ」「金額が出た」「上司の確認を待っている」といった記録です。
担当者が休んでも、その1件を開けば、どこまで進んでいるかを読めます。
4聞かなくても状況が分かる
やることには、「まだ手を付けていない」「進めている」「終わった」といった状態が付きます。
全体をまとめる人は、一覧を見るだけで、止まっているものを見つけられます。聞くのは、止まっている理由だけで済みます。
仕組みは3つだけ
ツールによって画面は違いますが、基本の仕組みは共通で、3つだけです。
| 仕組み | ツールでの呼び方 | 展示会の例 |
|---|---|---|
| 仕事の箱 | プロジェクト | 展示会の出展準備 |
| やること1件 | 課題、タスク、チケット | パンフレットを入稿する |
| 状態 | ステータス | 未着手、進行中、完了 |
呼び方はツールによって違います。「課題」「タスク」「チケット」は、どれも「やること1件」のことです。
多くのツールには、ボードやスケジュール表(ガントチャート)といった画面もあります。これらは別の仕組みではありません。同じ「やること」を、状態ごとに並べたり、日付に沿って並べたりして見せているものです。
はじめのうちは、一覧だけで十分に使えます。
ツールがやってくれないこと
ツールは、入れるだけで仕事が片づく道具ではありません。期待しすぎないために、できないことも先に書いておきます。
- 入力するのは人です:登録されていない仕事は、ツールにも見えません。
- 決めごとが要ります:「頼みごとは必ずツールに登録する」といった約束がないと、表やチャットと二重になり、かえって手間が増えます。
- 作業そのものは速くなりません:減るのは、探す時間と確かめる時間です。
- 要らないチームもあります:2〜3人で毎日顔を合わせ、仕事の数も少ないなら、紙やホワイトボードで足りることがあります。
連載第4回「少人数のチームに、プロジェクト管理ツールは必要?」、第5回「プロジェクト管理ツールが使われなくなるのはなぜ?」で詳しく取り上げています
チャットや表は、やめなくていい
ツールを入れても、チャットをやめる必要はありません。相談や雑談は、これまでどおりチャットで行います。
「決まったこと」と「頼みごと」だけをツールに移す。この分け方が、いちばん無理なく始められます。
まとめ
プロジェクト管理ツールは、「誰が、何を、いつまでに、今どうなっているか」を全員が同じ場所で見るための道具です。あると、次の4つが変わります。
- やることが1か所に集まり、最新版を探さなくなる
- 担当と締め切りがはっきりし、頼みごとが流れにくくなる
- 経緯が残り、担当者が休んでも引き継げる
- 聞いて回らなくても、状況が分かる
難しい機能を覚える必要はありません。仕事の箱を作り、やることを登録し、状態を更新する。この3つから始められます。
試してみたくなったら
「うちでも使えるかもしれない」と思った方へ、選択肢を1つ紹介します。この記事の画面例に使った、GeckoFlagです。
- 買う前に画面を確かめられます:デモを公開しています。
- 画面の案内に沿って導入できます:ファイルをサーバーに置き、ブラウザに表示される案内に沿って入力していきます。コマンドの操作はありません。手順はマニュアルのインストール手順にまとめています。
- 4,800円の買い切りです:月額の料金はなく、人数が増えても追加の費用はかかりません。サーバーの費用は別に必要です。詳しくは料金ページをご覧ください。
会社のホームページを置いているレンタルサーバーがあれば、そこに入れられる場合があります。必要な条件は、マニュアルの動作環境のページで確認できます。
※会社のドメインをお持ちであれば、多くのレンタルサーバーでは「geckoflag.○○.com」のようなサブドメインを作ってインストールできます。この場合、ドメインを新しく契約する必要はありません。
まずはデモで、「やること」を1件登録するところから試してみてください。