GeckoFlag コラム

プロジェクト管理・課題管理ツール選びのヒント

連載「はじめてのプロジェクト管理ツール」第3回

チャットやメールの頼まれごとは、なぜ流れる? 抜け漏れが起きる理由と、「話す場所」と「頼む場所」の分け方

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連載「はじめてのプロジェクト管理ツール」第3回 チャットやメールの頼まれごとは、なぜ流れる?

この連載について

「はじめてのプロジェクト管理ツール」は、ツールを使ったことがない方に向けた、全6回の連載です。どの回からでも読めます。

  1. プロジェクト管理ツールとは? あると仕事の何が変わるのか
  2. Excelのタスク管理は、どこで限界が来る?
  3. チャットやメールの頼まれごとは、なぜ流れる?この記事
  4. 少人数のチームに、プロジェクト管理ツールは必要?
  5. プロジェクト管理ツールが使われなくなるのはなぜ?
  6. はじめてのプロジェクト管理ツール、何を見て選ぶ?

展示会まで、あと2週間。ブースを作る施工業者から、メールが届きました。「図面の寸法に誤りがあるため、修正版を水曜までにいただけますか」。

メールはCCで、準備に関わる5人全員に届いています。全員が読みました。そして全員が、「図面を作った人が返すだろう」と思いました。

水曜の夕方、業者から2通目のメールが届きます。「ご確認いただけましたでしょうか」。

チャットやメールで頼んだこと、頼まれたことが、いつの間にか流れてしまう。多くの職場で起きていることです。この記事では、頼みごとが流れる理由と、チャットの工夫で防げる範囲、そしてツールに残すと何が変わるのかを説明します。

※この記事は、GeckoFlagの開発元が書いています。

チャットとメールは、よくできた連絡の道具

はじめに断っておくと、チャットもメールも、連絡の道具としてよくできています。

  • チャットは速い:思いついたことを、すぐに相談できます。短い返事で話が進みます。
  • メールは社外とつながる:取引先や業者とのやり取りは、今もメールが中心です。
  • だれでも使える:新しく覚えることが、ほとんどありません。

問題は、道具の出来ではありません。「話すための道具」で、「頼みごとを最後まで見届ける」ことまで受け持とうとするところに、無理が出てきます。

頼まれごとが流れる6つの理由

頼みごとが流れるのは、だれかが怠けているからではありません。チャットやメールの作りに、流れやすい理由があります。

1新しい話題に押し流される

チャットもメールも、新しいものが上や下に積み重なっていきます。金曜の締め切りを頼んだメッセージも、そのあとに別の話題が続けば、画面の外へ流れていきます。

読んだときは覚えていても、数日後に見返す仕組みがありません。

サイン「あれ、どこで頼まれたんだっけ」と、さかのぼって探すことが多い。

2「了解です」で会話が終わる

頼まれた側が「了解です」と返すと、会話はそこで終わります。でも、頼みごとはまだ終わっていません。

チャットには、「この件は終わった」「まだ途中」という印を付ける場所がありません。終わったかどうかを知るには、もう一度聞くしかありません。

サイン「あの件、どうなりました?」という確認のメッセージが多い。

3短い言葉で、大事なことが省かれる

チャットは、短く書くのがふつうです。「例の件、明日までに」「いつもの感じでお願いします」。頼む側は、相手も分かっているつもりで、大事なことを省きます。

頼まれた側も、聞き返すのを遠慮して、分かったつもりで「了解です」と返します。何を、どこまで、どんな形で渡せばいいのか。肝心な点が、お互いに書かれないまま進みます。

展示会の例なら、「招待状、いつもの感じで」。去年の文面を使うのか、宛先は去年と同じでいいのか、紙で送るのかメールで送るのか。食い違いに気づくのは、たいてい仕上がったものを見せたときです。

サイン仕上がったものを見て、「そういう意味じゃなかった」となることがある。

4宛先が多いと、だれの仕事か分からなくなる

冒頭の場面のように、CCや大人数のグループで届いた頼みごとは、全員が読んで、全員が「だれかがやるだろう」と思いがちです。

宛先に名前があることと、担当していることは、別のことです。

サイン「てっきり○○さんが返していると思っていました」が起きる。

5頼みごとが、あちこちに散らばる

取引先からはメール、社内からはチャット、上司からは口頭、急ぎは電話。頼みごとの入り口が、いくつもあります。

自分が抱えている頼みごとを全部見ようとすると、受信箱、チャットの各グループ、手帳のメモを見て回ることになります。

サイン自分のやることを、紙やメモに書き写して管理している。

6締め切りが文章の中に埋もれる

「来週あたりで」「展示会の前までに」「できれば早めに」。チャットの頼みごとは、締め切りが文章の一部として書かれがちです。

日付として残っていないので、近づいても、だれも気づきません。

サイン締め切りの当日や前日に、急に思い出して慌てることがある。

共通する原因

6つの理由は、同じところから来ています。チャットやメールは「やり取り」を時間の順に並べる道具で、頼みごとの「中身」「担当」「締め切り」「終わったかどうか」を、きちんと書いて持っておく場所がないのです。

連載の第1回で紹介した「頼んだことが流れていく」場面も、第2回で紹介した「表に書いても本人に伝わらない」問題も、根っこは同じです。

チャットの工夫で、どこまで防げるか

ツールを入れる前に、チャットやメールの使い方を工夫して防ぐ方法もあります。

  • 印を付ける:多くのチャットやメールには、メッセージに印を付けたり、あとで知らせてもらったりする機能があります。頼まれたものに印を付けておけば、流れても見つけられます。
  • 名前を呼んで頼む:グループで頼むときは、「○○さん、お願いします」と相手を1人に決めます。宛先が多くても、だれの仕事かがはっきりします。
  • 省かずに書く:「例の件」「いつもの感じで」ではなく、何を、どんな形で渡してほしいかまで書きます。頼まれた側も、分からない点はその場で聞き返します。
  • 日付で書く:「来週あたり」ではなく、「10月20日(火)まで」と書きます。
  • 終わったら返す:頼まれた側は、終わったときに「終わりました」とひと言返します。

どれも、今日から始められる工夫です。人数が少なく、頼みごとの数も多くないなら、これで十分に回ることもあります。

工夫だけでは届かないところ

ただし、これらの工夫には限りがあります。

1つは、印は自分にしか見えないことです。自分の頼まれごとは追えても、チーム全体で「今、だれが何を抱えているか」は見えません。全体をまとめる人は、やはり聞いて回ることになります。

もう1つは、全員が同じように続けないと崩れることです。1人でも日付を書き忘れたり、「終わりました」を返し忘れたりすると、そこから流れていきます。

「話す場所」と「頼む場所」を分ける

流れる問題を根本から減らすには、場所を分けるのがいちばんの近道です。

  • 話す場所:チャットやメール。相談、確認、雑談、取引先とのやり取り。
  • 頼む場所:プロジェクト管理ツール。決まった頼みごとを、担当と締め切りを付けて1件ずつ残す。

チャットやメールを、やめる必要はありません。相談はこれまでどおりチャットで行い、「決まったこと」だけをツールに移します。

流れは3つの手順だけ

冒頭の、施工業者からの図面の件で考えてみます。

  1. メールやチャットで受け取る:業者から修正の依頼が届く。必要なら、チャットで「だれが対応するか」を相談する。
  2. ツールに1件登録する:「ブース図面の寸法を修正して業者に返す」。担当は1人、締め切りは水曜。説明の欄には、業者のメールにあった修正箇所を書き写しておく。
  3. チャットには、ひと言だけ返す:「ツールに登録しました。担当は○○さんです」。

あとの経過は、ツールのその1件に書き込んでいきます。終わったら、状態を「完了」にします。

最初に決めておくこと

場所を分けるには、チームの約束が要ります。最初は、次の2つだけで十分です。

  • 頼みごとは、口頭やチャットで頼んでも、必ずツールに1件登録する
  • 社外からメールで届いた依頼も、受け取った人がツールに登録する

約束が守られずに、ツールが使われなくなる。これもよくある失敗です。

連載この話は、第5回「プロジェクト管理ツールが使われなくなるのはなぜ?」で詳しく取り上げています

ツールに残すと、何が変わるか

頼みごとをツールに残すと、先ほどの6つの理由は、それぞれ次のように変わります。

流れる理由 ツールに残すと
新しい話題に押し流される頼みごとは、終わるまで一覧に残り続けます
「了解です」で会話が終わる「進めている」「終わった」といった状態が付き、聞かなくても分かります
短い言葉で、大事なことが省かれる1件ごとに説明の欄があり、何を、どこまで、どんな形で渡すかを書いておけます。分からない点は、その1件に書き込んで聞けます
だれの仕事か分からなくなる1件ごとに担当者を決めます。宛先が何人いても、担当ははっきりします
あちこちに散らばるどこで頼まれても、行き先はツールの1か所です。自分が担当の頼みごとを一覧できます
締め切りが文章に埋もれる締め切りを日付の欄に入れるので、近いものから並べられます

もう1つ変わるのが、知らせ方です。多くのツールでは、登録や書き込みのときに、関係する人へ知らせを送れます。「表に書いたので見ておいてください」と、チャットで伝え直す必要がなくなります。

GeckoFlagの課題の画面。上に種別・状態・優先度・開始日・期限が並び、下のコメントには担当者の変更(Emily → Michael)と、知らせを送ったメンバーのアイコンが表示されている
やること1件の画面。コメントには、担当者の変更と、知らせを送ったメンバーが残ります。知らせる相手は、書き込むときに選べます(画面例:GeckoFlag)※GeckoFlagは15言語に対応しています。

まとめ

チャットやメールで頼みごとが流れるのは、だれかが怠けているからではありません。話すための道具には、頼みごとの「中身」「担当」「締め切り」「終わったかどうか」を、きちんと書いて持っておく場所がないからです。

次のサインが出ていたら、頼みごとの置き場所を考える時期です。

  • 頼まれた場所を探して、チャットやメールをさかのぼっている
  • 「あの件、どうなりました?」という確認が多い
  • 仕上がったものを見て、「そういう意味じゃなかった」となる
  • 「てっきり○○さんがやっていると思っていました」が起きる
  • 自分のやることを、紙やメモに書き写している
  • 締め切りの直前に、急に思い出して慌てる

まずはチャットの工夫から始め、それでも流れるようなら、相談はチャット、頼みごとはツールと、場所を分けてみてください。

試してみたくなったら

「頼みごとの置き場所を作りたい」と思った方へ、選択肢を1つ紹介します。この記事の画面例に使った、GeckoFlagです。

  • 買う前に画面を確かめられます:デモを公開しています。
  • 担当者は1件に1人です:だれの仕事かが、はっきりします。ダッシュボードには、自分が担当する課題の一覧が並びます。
  • 知らせる相手を選んで送れます:課題を登録するときやコメントを書き込むときに、知らせるメンバーを選ぶと、メールで知らせが届きます。手順はマニュアルの課題へのコメントにまとめています。
  • 画面の案内に沿って導入できます:ファイルをサーバーに置き、ブラウザに表示される案内に沿って入力していきます。コマンドの操作はありません。手順はマニュアルのインストール手順にまとめています。
  • 4,800円の買い切りです:月額の料金はなく、人数が増えても追加の費用はかかりません。サーバーの費用は別に必要です。詳しくは料金ページをご覧ください。

なお、GeckoFlagには、SlackなどのチャットやGmailなどのメールと連携する機能はありません。相談はチャット、頼みごとはGeckoFlagと、場所を分けて使う形になります。

会社のホームページを置いているレンタルサーバーがあれば、そこに入れられる場合があります。必要な条件は、マニュアルの動作環境のページで確認できます。

※会社のドメインをお持ちであれば、多くのレンタルサーバーでは「geckoflag.○○.com」のようなサブドメインを作ってインストールできます。この場合、ドメインを新しく契約する必要はありません。

まずはデモで、最近チャットで頼まれたことを1件、登録してみてください。