カンバンボードとは? 列の作り方と、チームでの始め方
付せんを「やること」「やっている」「終わった」の列に貼り、終わったら右へ動かす。カンバンボードは、そんな単純な仕組みで、仕事の流れを目に見えるようにする方法です。
ルールが少ないぶん、始めるのは簡単です。ただ、列の分け方やカードの書き方を決めずに始めると、しばらくして「結局、何が止まっているのかわからない」ボードになりがちです。
この記事では、カンバンボードの基本と、列の作り方、チームで始めるときのコツ、紙・表計算・ツールの使い分けを紹介します。
この記事のポイント
- カンバンボードは、仕事をカードにして、進み具合ごとの列に並べる方法です。基本の列は「やること」「進行中」「完了」の3つです。
- 列は少なく始め、「確認待ち」のように仕事が止まりやすい場所だけを足します。
- 「進行中」に置くカードの数に上限を決めると、抱え込みや止まっている仕事に気づきやすくなります。
※この記事は、GeckoFlagの開発元が書いています。
カンバンボードとは
カンバンボードは、仕事を1枚ずつカードにして、「今どの段階にあるか」を表す列に並べたボードです。カードが左から右へ動いていくことで、誰が何をしていて、どこで止まっているかが、ひと目でわかります。
もとになったのは、トヨタの生産方式で使われてきた「かんばん」の考え方です。その後、ソフトウェア開発を中心に広まり、今では業種を問わず使われています。
基本の形:3つの列とカード
いちばん基本の形は、次の3つの列です。
- やること:これから手を付ける仕事
- 進行中:今まさに取り組んでいる仕事
- 完了:終わった仕事
カード1枚には、仕事を1つだけ書きます。カードを見れば何をするかわかるように、「チラシ」ではなく「秋祭りのチラシの案を2つ作る」のように書きます(書き方は「伝わるタスクの書き方」で紹介しています)。担当者がわかるように、名前や顔のマークを付けておくと便利です。
列の作り方
列は、仕事が実際にたどる段階に合わせて作ります。ただし、多すぎると、どの列に置くか迷うようになり、カードが動かされなくなります。3つで始め、仕事が止まりやすい場所が見えてきたら、そこだけ足すのがおすすめです。
最初に足す候補になるのは、次の2つです。
- 確認待ち:作業は終わったが、頼んだ人や取引先の確認を待っている。「進行中」と分けると、誰の手にあるかがわかります。
- 保留:返事待ちなど、自分たちでは進められない。理由と、いつ見直すかを書いておきます。
仕事ごとの列の例です。
| 仕事 | 列の例 |
|---|---|
| Webサイトやデザインの制作 | やること → 制作中 → 確認待ち → 修正中 → 完了 |
| マーケティング・広報 | アイデア → 準備中 → 確認待ち → 公開済み |
| 社内の依頼の受付 | 受付 → 対応中 → 完了 |
| イベントの準備 | やること → 手配中 → 確定 → 完了 |
| ソフトウェア開発 | やること → 開発中 → レビュー待ち → テスト → 完了 |
列の名前は、その仕事で普段使っている言葉にすると、迷わず使えます。列の数と変えるタイミングの決め方は「進み具合はどう伝える?」で詳しく紹介しています。
「進行中」の数に上限を決める
カンバンでよく使われる考え方に、「進行中」に置けるカードの数に上限を決める、というものがあります。英語では WIP(Work In Progress)制限と呼ばれます。
たとえば「1人2枚まで」と決めておくと、新しい仕事に手を付ける前に、今の仕事を終わらせることを考えるようになります。上限を超えそうなときは、誰かが抱え込みすぎているか、どこかで仕事が止まっているサインです。最初は厳密でなくてよいので、「進行中が増えてきたら話し合う」くらいから始めてみてください。
チームで始めるときのコツ
1カードを動かす人を決める
カードは、その仕事の担当者が動かすのが基本です。「確認待ち」に動かしたら、確認する人に声をかけるか、担当を付け替えます。
2カードの大きさをそろえる
1枚に何週間もかかる仕事を書くと、いつまでも「進行中」から動きません。数日で終わるくらいに分けると、動きが見えるようになります(分け方は「タスクはどこまで細かく分ける?」で紹介しています)。
3週に1度、ボードを一緒に見る
定例の打ち合わせで、ボードを画面に映しながら、実態とずれているカードを直します。長く同じ列にいるカードがあれば、何に困っているかを聞いてみます。
4「完了」の条件を決めておく
どこまでやったら「完了」に動かしてよいかを決めておきます。頼んだ人の確認が済んだら、などです(終わらせ方は「終わらせ方」で紹介しています)。
紙・表計算・ツールの使い分け
| 方法 | 向いている場面 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| ホワイトボードと付せん | 全員が同じ場所で働いている。まず試してみたい | 離れた場所からは見られない。経緯が残らない |
| 表計算ソフト | 少人数で、カードの数が少ない | カードを動かす操作が手間で、更新されにくい |
| カンバンの使えるツール | 在宅や社外の人を含むチーム。案件がいくつもある | ツールを選ぶ手間と、費用がかかる |
ツールを使うと、離れた場所からでも同じボードを見られ、カードごとにやりとりや経緯を残せます。表のタスク管理がどこで限界になるかは「Excelのタスク管理は、どこで限界が来る?」で紹介しています。
GeckoFlagのカンバンボード
私たちが開発しているGeckoFlagにも、カンバンボードがあります。
- プロジェクトごとに、課題(タスク)がステータスごとに並び、それぞれの件数も表示されます。
- カードには、課題の種類、優先度、担当者が表示されます。
- PCでは、カードをドラッグしてステータスを変えられます。変えたことは、課題のコメントとして自動で残ります。
- 列にあたるステータスは、名前と色を自由に決められます(最大10件)。
- 同じ課題を、ガントチャートでも見られます。Wikiやファイル共有もあり、案件の情報を1か所にまとめられます。
GeckoFlagは、自分たちのサーバーに入れて使うセルフホスト型で、一般的なレンタルサーバーでも動きます。4,800円の買い切りです。使い方はカンバンボードのマニュアルで、実際の画面はデモで確かめられます。
まとめ
カンバンボードは、仕事をカードにして、進み具合ごとの列に並べる方法です。「やること」「進行中」「完了」の3つで始め、止まりやすい場所にだけ列を足します。「進行中」の数に上限を決め、週に1度ボードを一緒に見直すと、止まっている仕事に早く気づけます。まずはホワイトボードでも、表計算でも、ツールでも、続けやすい方法で始めてみてください。