Redmineの機能、本当に必要? 導入・継続の前に確かめる10のチェック
Redmineは、長く使われてきた優れたプロジェクト管理ツールです。無料のオープンソースで、課題管理から作業時間の記録、リポジトリ連携まで、必要な機能がひととおりそろっています。
ただ、Redmineを動かすには、Rubyが動くサーバーの準備と、その後の保守が必要です。レンタルサーバーには入らないことが多く、VPSや専門のクラウドを用意することになります(詳しくは「Redmineはレンタルサーバーに入れられる?」で解説しています)。
その手間に見合うかどうかは、Redmineの機能をどれだけ使うかで決まります。この記事では、Redmineならではの機能を10個取り上げ、それぞれが自分のチームに必要かを確かめていきます。すでにRedmineを使っている人向けに、今の利用状況を確かめる方法も紹介します。
※この記事は、GeckoFlagの開発元が書いています。Redmineの機能は、2026年10月24日に公式のガイドで確認した内容です(最新版は7.0.2)。
どのツールにもある機能は、判断材料にならない
最初に、Redmineを選ぶ理由にはならない機能を切り分けておきます。
チケット(課題)の登録、ステータス、担当者、期限日、コメント、Wiki、ファイルの共有、ガントチャート。これらは、いまのプロジェクト管理ツールの多くが備えています。チームで使っている機能がこの範囲に収まっているなら、「Redmineでなければならない」とは言えません。
Redmineを選ぶ理由になるのは、次の章で取り上げる、ほかのツールでは省かれがちな機能です。
Redmineならではの10の機能
それぞれ「できること」「必要になる場面」「なくても困らないサイン」の順に見ていきます。必要だと思った項目の数を数えながら読んでください。
1作業時間の記録と集計
できること:チケットごと、またはプロジェクトごとに作業時間を記録できます。記録には作業分類(設計、開発、打ち合わせなど)とコメントを付けられます。予定工数も入れられ、プロジェクトの「作業時間」画面で一覧と集計を確かめられます。
必要になる場面:作業時間をもとに請求する、見積もりと実績を比べて次の見積もりに生かす、メンバーの負荷を時間で見る、といった場合です。
なくても困らない時間は記録しているが、集計して使ったことがない。請求は案件単位の固定料金で、時間とは関係がない。
2カスタムフィールド
できること:チケットやプロジェクト、ユーザーに、独自の入力項目を追加できます。テキスト、数値、日付、選択肢などの形式を選べ、トラッカー(チケットの種類)ごとに表示する項目を変えられます。
必要になる場面:「顧客名」「対象ブラウザ」「発生した環境」のように、チケットごとに必ず記録したい情報があり、その項目で絞り込みや集計をしたい場合です。
なくても困らない追加した項目が空欄のチケットが多い。説明文に書けば足りている。
3ワークフロー
できること:ロール(役割)とトラッカーの組み合わせごとに、どのステータスからどのステータスへ変えてよいかを決められます。たとえば「開発者はバグを『解決』にできるが、『完了』にできるのは管理者だけ」といった設定です。ステータスごとに、項目を必須にしたり、読み取り専用にしたりすることもできます。
必要になる場面:承認の手順が決まっていて、手順を飛ばされると困る場合です。品質管理や監査のために、誰が完了にしたかを統制したいチームにも向いています。
なくても困らない導入時の初期設定のまま使っている。ステータスは誰が変えてもよい、という運用で困っていない。
4プロジェクトごとの細かい権限
できること:ロールを自由に作り、閲覧、チケットの作成、編集、作業時間の記録、Wikiの編集など、操作ごとに許可を決められます。同じ人に、プロジェクトAでは管理者、プロジェクトBでは閲覧のみ、といった割り当てもできます。
必要になる場面:社外の人に閲覧だけを許したい、部署ごとに触れる範囲を分けたい、といった場合です。
なくても困らないメンバーは全員ほぼ同じ権限で使っている。ロールは初期のもの(管理者、開発者、報告者)しか使っていない。
5チケットの関連付け
できること:チケット同士に関係を設定できます。「関連している」のほか、「重複している」「ブロックしている」「先行・後続」などがあります。ブロックしている側が未完了のあいだは、ブロックされている側を完了にできません。先行するチケットの終了日が動くと、後続のチケットの日程も同じ日数だけずれます。
必要になる場面:作業の順番に強い依存関係があり、1つの遅れがほかの作業にどう響くかを日程で追いたい場合です。
なくても困らない関係は説明文やコメントに「#123のあとで」と書けば足りている。親子のチケットで作業を分けるだけで十分。
6バージョンとロードマップ
できること:「v2.0」「4月リリース」のようなバージョン(区切り)を作り、チケットを割り当てられます。ロードマップの画面では、バージョンごとの進み具合を確かめられます。
必要になる場面:ソフトウェアのように、リリース単位で作業をまとめて進める場合です。
なくても困らない案件ごとにプロジェクトを分けていて、その中で期限日を追えば足りている。
7リポジトリ連携
できること:GitやSubversionなどのリポジトリをプロジェクトに結び付け、画面からコードや変更履歴を見られます。コミットメッセージにチケット番号を書くと、そのコミットがチケットに結び付き、メッセージの書き方しだいでステータスの変更や作業時間の記録もできます。
必要になる場面:開発チームで、どのコードの変更がどの課題に対応するかを追いたい場合です。
なくても困らないコードはGitHubやGitLabで管理していて、課題との結び付けもそちらで済ませている。チームでコードを書かない。
8メールからのチケット登録
できること:決まったアドレスに届いたメールから、チケットを作ったり、既存のチケットにコメントを足したりできます。
必要になる場面:顧客からの問い合わせや不具合の報告をメールで受け、そのまま課題として管理したい場合です。
なくても困らない問い合わせは別の窓口(フォームやサポートツール)で受けている。メールの内容は、担当者が手で課題に起こせば足りている。
なお、この機能を使うには、メールサーバー側の設定や、定期的にメールを取り込む仕組み(cronなど)をサーバーに用意する必要があります。
9REST APIと外部連携
できること:REST APIを有効にすると、チケット、プロジェクト、ユーザー、作業時間などを、外部のプログラムから読み書きできます。
必要になる場面:社内のほかのシステムと連携したい、定型のチケット作成や集計を自動化したい場合です。
なくても困らない連携のためのプログラムを書く人がいない。画面からの操作で足りている。
10プラグインによる拡張
できること:プラグインを入れて、カンバンボード、チェックリスト、顧客管理、ヘルプデスクなど、標準にない機能を足せます。公式サイトには多数のプラグインが登録されています。
必要になる場面:標準の機能では足りず、自分たちの業務に合わせて機能を作り込みたい場合です。
なくても困らないプラグインを入れていない。あるいは、入れたものの更新についていけず、Redmine本体のバージョンアップの妨げになっている。
プラグインは、Redmine本体のバージョンアップのたびに対応を確かめる必要があります。便利な反面、保守の手間が増える点も含めて判断してください。
今のRedmineで、実際に使っているかを確かめる
すでにRedmineを使っているなら、管理画面を見ると、各機能が実際に使われているかを確かめられます。導入したときに設定したまま、実は誰も使っていない機能が見つかることもあります。画面の名前は、Redmineのバージョンや言語の設定によって少し異なる場合があります。
| 機能 | 確かめる場所 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 1. 作業時間 | 各プロジェクトの「作業時間」 | 最近の記録があるか。集計を誰かが見ているか |
| 2. カスタムフィールド | 管理 → カスタムフィールド | 項目の数。チケット一覧で、その項目が埋まっているか |
| 3. ワークフロー | 管理 → ワークフロー | 初期設定から変えているか |
| 4. 権限 | 管理 → ロールと権限 | 初期のロール以外を作っているか |
| 5. 関連付け | チケットの詳細画面の「関連するチケット」 | 関係を設定したチケットがどれくらいあるか |
| 6. バージョン | 各プロジェクトの「ロードマップ」 | バージョンを作り、チケットを割り当てているか |
| 7. リポジトリ | 各プロジェクトの設定 → リポジトリ | リポジトリが登録され、最近のコミットが表示されるか |
| 8. メール受信 | 管理 → 設定 → 受信メール、サーバーの定期実行の設定 | メールから作られたチケットがあるか |
| 9. API | 管理 → 設定 → API | RESTのWebサービスが有効になっているか。使っている連携があるか |
| 10. プラグイン | 管理 → プラグイン | 入っているプラグインと、それぞれ使っているか |
表で「使っていない」が多かった機能は、次の章のチェックで「不要」に数えてください。
チェックの結果から考える
10の機能のうち、自分のチームに必要だと思った数で考えます。
3個以上:Redmineを使う価値がある
Redmineの強みを生かせるチームです。サーバーの準備と保守の手間をかける価値があります。レンタルサーバーに入らない場合は、VPSか、Redmine専門のクラウドを選びましょう。選び方は「Redmineはレンタルサーバーに入れられる?」で紹介しています。
1〜2個:その機能を別の方法で補えるか考える
必要な機能が1つか2つなら、それをRedmine以外の方法で補えないかを考えてみてください。たとえば作業時間の記録だけが必要なら、表計算や時間記録の専用ツールと組み合わせる方法もあります。補えないなら、Redmineを選ぶのが確実です。
0個:もっと設定の少ないツールで十分な可能性が高い
Redmineの強みを使わないなら、サーバーの手間をかけてまでRedmineを選ぶ理由は薄くなります。課題、期限、担当者の管理が中心なら、もっと設定の少ないツールのほうが、チームに定着しやすいこともあります。
もう1つ、数とは別に考えておきたいのが、サーバーの面倒を誰が見るかです。Redmineを自分で運用する場合、導入した人が更新と障害対応も引き受けることになります。その人がいなくなっても回るかどうかも、判断の材料に入れてください。
チェックが0個だったチームへ
最後に、チェックが0個だったチームの選択肢の1つとして、私たちが開発しているGeckoFlagを紹介させてください。
はじめにお伝えしておくと、この記事で取り上げた10の機能の多くは、GeckoFlagにはありません。作業時間の記録、カスタムフィールド、ワークフローの設計、チケットの関連付け、バージョン、リポジトリ連携、メールからの登録、外部API、プラグインはなく、ロールは管理者、メンバー、ゲストの3種類です。これらが必要なら、Redmineを選ぶのが正解です。
そのかわり、GeckoFlagは、どのチームにも必要な機能を、設定に迷わず使える形でまとめています。
- 課題管理(親子課題)、カンバンボード、ガントチャート、Wiki、ファイル共有を1つにまとめています。
- PHP 8.2以上とMySQLまたはMariaDBが使えるサーバーで動きます。ComposerもDockerも、コマンド操作も要りません。
- 導入はブラウザのインストーラーで、アップデートは管理画面へのZIPのアップロードで済みます。適用の前に自動でバックアップを取ります。
- 社外の人はゲストとして招けます。プロジェクトは参加しているメンバーにしか見えません。
- 価格は4,800円の買い切りで、プランによる機能の差も、ユーザー数やプロジェクト数の上限もありません(1ドメインにつき1ライセンス。サーバー代は別にかかります)。
Redmineとの違いはGeckoFlagとRedmineの比較で、レンタルサーバーで動くほかのツールとの違いはレンタルサーバーで動くプロジェクト管理ツールの比較で詳しく紹介しています。実際の画面はデモで確かめられます。
参考情報
- Issue tracking(Redmine公式:チケットの関連付け、子チケット)
- Time tracking(Redmine公式:作業時間の記録)
- Issue tracking setup(Redmine公式:トラッカー、ステータス、ワークフロー)
- Receiving emails(Redmine公式:メールからのチケット登録)
- REST API(Redmine公式)
※いずれも2026年10月24日に確認した内容です。Redmineの画面や機能は、バージョンによって異なる場合があります。