Redmineはレンタルサーバーに入れられる?必要な条件と、入らないときの3つの選択肢
「Redmineは無料だし、WordPressを置いているレンタルサーバーに一緒に入れてしまおう」。そう考えて手順を調べたら、コマンドがずらりと並んでいて戸惑った…という方は多いのではないでしょうか。
Redmineは、世界中で長く使われているオープンソースのプロジェクト管理ツールです。日本語の情報も多く、機能も豊富。ただ、WordPressなどのPHP製のソフトとは動く仕組みが違うので、レンタルサーバーとの相性には注意が必要です。
この記事では、Redmineの公式の要件と手順をもとに、レンタルサーバーで何が壁になるのかを整理します。そのうえで、入らなかったときの選択肢を3つご紹介します。
この記事のポイント
- Redmineの導入は、コマンド操作と、Rubyのプログラムを動かし続ける環境が前提です。ブラウザとFTPだけでは導入できません。
- 最新のRedmine 7.0はRuby 3.2以上が必要です。国内の主なレンタルサーバー6つを調べたところ、5つは標準のRubyが2.5系で、そのままでは要件を満たしません。
- レンタルサーバーに入らないときは、VPSに入れる、クラウド版を使う、レンタルサーバーで動く別のツールにする、の3つが現実的な選択肢です。
※この記事は、GeckoFlagの開発元が書いています。Redmineと各社の仕様は、2026年10月5日に公式ページで確認した内容です。
Redmineの導入に必要なもの
まずは、Redmineを動かすために何が要るのかを、公式のインストールガイドで確認してみましょう。2026年10月時点の最新版は7.0系です。
| 項目 | Redmine 7.0 の要件 |
|---|---|
| 実行環境 | Ruby 3.2、3.3、3.4、4.0(Ruby on Rails 8.1で動く) |
| データベース | MySQL 8.0〜8.4、PostgreSQL 14、SQL Server 2012以上、SQLite 3。SQLiteは複数人での本番利用には向かない |
| MySQLの設定 | トランザクション分離レベルを READ COMMITTED に変更する |
| あると良いもの | ImageMagick(ガントの画像出力、サムネイル)、Sidekiq(本番環境で推奨される処理の仕組み) |
出典:Installing Redmine(Redmine公式)
導入の手順は、公式ガイドで11ステップあります。流れは次のとおりです。
- Redmineのファイルをダウンロードして展開する
- 空のデータベースとユーザーを作る
- 設定ファイル(config/database.yml)に接続情報を書く
- コマンドで、必要なライブラリをまとめて入れる(bundle install)
- コマンドで、セッション用の秘密鍵を作る
- コマンドで、画面に使うファイル(アセット)を準備する
- コマンドで、データベースにテーブルを作る
- コマンドで、初期データを入れる
- フォルダの書き込み権限を設定する
- コマンドでサーバーを起動し、動作を確かめる
- ブラウザで開いてログインする
WordPressのように「ファイルを置いて、ブラウザで開けばインストール画面が出る」という作りではありません。4〜8と10は、サーバーにログインしてコマンドを打つ作業です。
もうひとつ大事なのが、10のあとです。Redmineは、Rubyのプログラムを動かし続けることで画面を表示します。手順10の起動は、あくまで動作確認のためのもの。実際に運用するには、アプリケーションサーバーをWebサーバーと組み合わせて、常に動かしておく設定が別に必要になります。
レンタルサーバーで壁になる4つの点
前の章の要件を、一般的なレンタルサーバー(共用サーバー)に当てはめてみると、次の4つが壁になります。
1Rubyのバージョンが足りない
レンタルサーバーにもRubyは入っていますが、バージョンが古いことがあります。エックスサーバーの公式マニュアルでは、提供しているRubyは2.5系です。同じグループのシンレンタルサーバー、スターレンタルサーバーも2.5系でした。
Redmine 7.0が求めるのはRuby 3.2以上なので、そのままでは動きません。Ruby 2.5は、2021年に開発元によるサポートが終わっているバージョンでもあります。
新しいRubyを自分のフォルダの中に入れる方法もあります。ただし、サーバー上でプログラムを組み立てる(ビルドする)作業が必要で、難易度は一段上がります。
2コマンド操作(SSH)が必要
Redmineの導入手順の半分以上は、コマンドを打つ作業です。そのためには、サーバーにSSHで接続できる必要があります。SSHが使えるかどうかは、サーバーとプランによって違います。たとえば、さくらのレンタルサーバとロリポップ!は、スタンダードプラン以上が対象です。
SSHが使えても、管理者権限(root)は使えません。手順の途中で追加のソフトが必要になったときに、入れられない場合があります。
3プログラムを動かし続けられない
いちばん大きな壁がこれです。共用サーバーは、たくさんの利用者が1台のサーバーを分け合う仕組み。そのため、利用者が自分のプログラムを長時間動かし続けることは、基本的に想定されていません。
たとえば、さくらのレンタルサーバは「ご利用上の注意」で、daemonとしてサーバーに常駐するプログラムの実行を禁止事項に挙げています。はっきり書いていないサーバーでも、サーバーに大きな負荷をかける行為は規約で禁止されているのが一般的です。
Redmineを運用するには、アプリケーションサーバーを常に動かし、Webサーバーとつなぐ設定が要ります。この設定はサーバー全体に関わるもので、共用サーバーの利用者には変更できないのが普通です。
4データベースの種類とバージョン
公式の表で、Redmine 7.0が対応するMySQLは8.0〜8.4です。一方、エックスサーバー、シンレンタルサーバー、スターレンタルサーバーが提供しているのは、MySQLと互換のあるMariaDB(10.5系または10.11系)。MariaDBは、Redmineの公式の対応表には載っていません。
さくらのレンタルサーバ(MySQL 8.0)やロリポップ!(MySQL 8.4)のように、要件に合うデータベースを用意しているサーバーもあります。
4つのうち、1と4は「バージョンの問題」、2と3は「サーバーの作りの問題」です。バージョンはいずれ上がるかもしれませんが、3の制限は、共用サーバーという仕組みそのものから来ています。
主要なレンタルサーバーの対応状況
国内の主なレンタルサーバー6つについて、Redmine 7.0の要件に関わる仕様を公式ページで確認しました。確認日は2026年10月5日です。
| サーバー | 標準のRuby | Redmine 7.0の要件(Ruby 3.2以上) | データベース | SSH |
|---|---|---|---|---|
| エックスサーバー | 2.5系移行前の旧サーバーは2.0系 | ×満たさない | MariaDB 10.5系/10.11系サーバーによってはMySQL 5.7系 | 利用可公開鍵認証 |
| シンレンタルサーバー | 2.5系 | ×満たさない | MariaDB 10.5系/10.11系 | 利用可全プラン |
| スターレンタルサーバー | 2.5系 | ×満たさない | MariaDB 10.5系/10.11系 | 利用可公開鍵認証 |
| さくらのレンタルサーバ | 2.5系旧仕様の一部サーバーは1.8系 | ×満たさない | MySQL 8.0 | スタンダード以上常駐プログラムは禁止 |
| ConoHa WING | 2.5一部の環境は2.0 | ×満たさない | MySQL機能一覧にバージョンの記載なし | 利用可鍵認証。機能に一部制限あり |
| ロリポップ! | 3.4サーバーによっては2.6 | ○バージョンは満たすただし公式は「Ruby on Railsには対応しておりません」 | MySQL 8.4 | スタンダード以上root権限は不可 |
各社の公式サイト(マニュアル、仕様、よくある質問)で確認した内容です。仕様はプランや契約の時期によって違うことがあります。
6つのうち5つは、標準のRubyがRedmine 7.0の要件に届いていません。
ちょっと意外だったのが、ロリポップ!です。Rubyは3.4、データベースはMySQL 8.4で、バージョンだけを見ればRedmine 7.0の要件を満たしています。ただ、公式のよくある質問には「Ruby on Railsには対応しておりません」とはっきり書かれています。RedmineはRuby on Railsで作られたソフトなので、ここでも導入はサポートの対象外です。「バージョンが合えば入る」とは言えない、という良い例だと思います。
念のためお伝えしておくと、これは「レンタルサーバーの側に問題がある」という話ではありません。共用サーバーはPHPで動くWebサイトのための場所で、PHPについては8.5系まで新しいバージョンが用意されています。Redmineのような、Rubyで動き続けるアプリケーションは、もともと想定の外にあるということです。
入らないときの3つの選択肢
レンタルサーバーにRedmineが入らないとき、進む道は大きく3つあります。どれが正解かは、「Redmineを使いたい」のか、「レンタルサーバーで課題管理がしたい」のかで変わってきます。
| 選択肢 | 向いている人 | 引き受けること |
|---|---|---|
| 1. VPSを借りてRedmineを入れる | Redmineを使いたい。コマンド操作ができる人がいる | サーバーの構築、更新、セキュリティ対応 |
| 2. Redmineのクラウドサービスを使う | Redmineを使いたい。サーバーは持ちたくない | 月額の利用料 |
| 3. レンタルサーバーで動く別のツールを使う | いまのレンタルサーバーを活かしたい。Redmineにこだわらない | Redmineとの機能の違い、データの移し替え |
1VPSを借りてRedmineを入れる
Redmineの機能をそのまま、自分の管理下で使いたいなら、これが王道です。VPSなら管理者権限があるので、公式の手順どおりに導入できます。
Redmineがあらかじめ入った状態で始められるVPSもあります。たとえばConoHa VPSにはRedmineのテンプレートが、XServer VPSにはRedmineのアプリイメージが用意されています。ただし、入っているのは6系のバージョンで(確認時点)、最新の7.0とは限りません。
引き換えに、サーバーの面倒を見る仕事が増えます。OSやRubyの更新、バックアップ、不正アクセスへの備えは、すべて自分たちの担当です。チームにサーバーを扱える人がいて、その人が続けて見られるかどうかが、判断の分かれ目になります。
2Redmineのクラウドサービスを使う
Redmineを、導入や運用の手間なしに使えるサービスもあります。国内では、ファーエンドテクノロジーの「My Redmine」がよく知られています。サーバーの管理は提供元に任せて、ブラウザで使うだけです。
My Redmineのスタンダードプランは、月額10,000円(税込11,000円)で1,000ユーザーまで使えます。最大2か月の無料お試しもあります。「無料だからRedmine」と考えていた場合は、ここで前提が変わる点に注意してください。
3レンタルサーバーで動く別のツールを使う
「課題やタスクを、いまのレンタルサーバーで管理できればいい」のであれば、PHPとデータベースだけで動くツールが候補になります。Leantime、Kanboard、そして当サイトのGeckoFlagなどです。
それぞれの要件や導入の手間は、Dockerなしでレンタルサーバーに入れられるプロジェクト管理ツール比較にまとめています。
どのツールも、Redmineと同じことができるわけではありません。リポジトリとの連携、細かな権限やワークフローの設定、プラグインによる拡張は、Redmineの強みです。これらが必要なら、1か2を選ぶほうが後悔がありません。
RedmineからGeckoFlagへ移る場合に知っておきたいこと
この記事は、GeckoFlagの開発元が書いています。3つ目の選択肢としてGeckoFlagを検討する方のために、良い点だけでなく、移るときの制約も先にお伝えしておきます。
GeckoFlagでできること
GeckoFlagは、PHP 8.2以上とMySQL(またはMariaDB)で動く、買い切りのプロジェクト・課題管理ツールです。ファイルをサーバーに置いてブラウザで開くと、インストーラーが始まります。コマンド操作は要りません。更新とバックアップも、管理画面から行えます。
課題、親子課題、コメント、カンバンボード、ガントチャート、Wiki、ファイル共有をひとつにまとめています。デザイナーやディレクター、クライアントなど、エンジニアではない人でも迷わず使える画面にしているのも特徴です。
移る前に確認したい制約
- 専用の移行ツールはありません。Redmineのチケットは、CSVに書き出してGeckoFlagに取り込みます。取り込みは新規登録の扱いで、課題番号は振り直されます。
- 移せるのは課題の基本的な項目です。ステータス、優先度、担当者、開始日、期限日などです。コメントの履歴、添付ファイル、Wikiは移せません。親子関係もCSVでは引き継げません。
- 取り込みの前に準備が必要です。ステータス・優先度・担当者は、先にGeckoFlag側に登録しておきます。未登録のものを参照している行は、取り込まれずにスキップされます。くわしくはインポート・エクスポートのマニュアルをご覧ください。
- Redmineにあって、GeckoFlagにない機能があります。工数の記録、カスタムフィールド、ワークフローの設定、リポジトリとの連携、プラグイン、API、ロールごとの細かな権限です。
- 無料ではありません。4,800円の買い切りで、サーバー代は別にかかります。
長く使い込んだRedmineを丸ごと移す、という用途には向いていません。向いているのは、これから新しく始めるチームや、進行中の課題だけを移して再出発するチームです。
機能ごとの違いはGeckoFlagとRedmineの比較で、実際の画面はデモで確認できます。
まとめ:「Redmineを使いたい」のか、「レンタルサーバーで管理したい」のか
Redmineは、共用のレンタルサーバーに入れることを想定して作られたソフトではありません。コマンド操作と、Rubyのプログラムを動かし続ける環境が必要です。国内の主なレンタルサーバーの多くは、標準のRubyが最新のRedmineの要件に届いておらず、バージョンが合うサーバーでも、Ruby on Railsはサポートの対象外でした。
迷ったときは、次のように考えると決めやすくなります。
- Redmineの機能が必要で、サーバーを扱える人がいるなら、VPSに入れる。
- Redmineの機能が必要で、サーバーを持ちたくないなら、クラウドサービスを使う。
- いまのレンタルサーバーで課題管理ができればいいなら、PHPで動く別のツールを選ぶ。
3つ目を考えている方は、レンタルサーバーに入れられるツールの比較記事もあわせてどうぞ。GeckoFlagの導入の流れはマニュアルに、料金は料金ページにあります。この記事が、チームに合った選択のヒントになればうれしいです!
参考情報
※各社の仕様と料金は、2026年10月5日時点の情報です。導入や契約の前に、公式ページで最新の内容を確認してください。