GeckoFlag コラム

プロジェクト管理・課題管理ツール選びのヒント

Dockerなしでレンタルサーバーに入れられるプロジェクト管理ツール比較

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Dockerなしでレンタルサーバーに入れられるプロジェクト管理ツール比較

「無料のプロジェクト管理ツールを自分のサーバーに入れよう!」と調べはじめたら、手順の1行目に「Dockerをインストールします」と書いてあって手が止まった…。そんな経験はありませんか?

人気のあるオープンソースの多くは、VPSやクラウドのサーバーを前提に作られています。でも、「手元にあるのはWebサイト用に契約しているレンタルサーバーだけ」というチームも多いですよね。

そこでこの記事では、DockerもVPSも使わずに、レンタルサーバーへ入れられるプロジェクト管理ツールを3つご紹介します。要件、導入の手順、更新のしかたを同じ基準で並べて、どんなチームに合うのかを分かりやすく整理します!

この記事のポイント

  • レンタルサーバーに入れやすいのは、PHPとデータベースだけで動くツールです。今回はLeantime、Kanboard、GeckoFlagの3つを比べます。
  • 同じPHP製でも、導入の手間は同じではありません。違いが出るのは、ドキュメントルートの変更、設定ファイルの編集、更新の方法の3点です。
  • 無料で工数管理やスプリントまで使いたいならLeantime、カンバンだけを軽く使うならKanboard、導入から更新までブラウザで済ませて、エンジニアではないメンバーにも使いやすい画面がほしいならGeckoFlagが候補になります。

※この記事は、GeckoFlagの開発元が書いています。ほかの2つは、2026年10月4日に公式のドキュメントとリポジトリで確認した内容をもとにしています。

なぜ有名なオープンソースは、レンタルサーバーに入らないの?

理由はとてもシンプルです。レンタルサーバー(共用サーバー)は、「PHPのプログラムを置いて動かす場所」として作られているから。常に動き続けるプログラムを立ち上げたり、サーバーにソフトを追加したりすることは、基本的にできません。

名前をよく見かけるツールには、この前提と合わないものが多いんです。

ツール 導入の前提 レンタルサーバーで壁になる点
RedmineRuby on Railsで動く。インストールはコマンド操作Rubyの実行環境とコマンド操作が必要
PlaneDocker Composeで複数のサービスを起動Dockerが使えない
OpenProjectDocker Compose、またはLinux向けのパッケージで導入。公式の目安は4コア・メモリ4GBどちらの導入方法も使えず、共用サーバーの想定を超える

どれも優れたツールで、VPSを用意してサーバーを扱える人がいれば、有力な選択肢になります。GeckoFlagとの細かな違いは、Redmineとの比較とオープンソース3種との比較にまとめています。

ここでお伝えしたいのは、優劣ではなく「置き場所が違う」ということ。レンタルサーバーしかないなら、最初からレンタルサーバーで動くツールの中から探したほうが、遠回りをせずに済みます。

レンタルサーバーで動く?見分けるための5つのチェックポイント

公式サイトに「かんたんインストール」と書いてあっても、レンタルサーバーで同じようにいくとは限りません。導入手順のページを開いたら、次の5つをチェックしてみてください。今回の3つ以外のツールにも使える見分け方です。

1PHPとデータベースだけで動くか

Node.js、Python、Rubyや、常に起動しておくプログラムが必要なツールは、共用サーバーでは難しくなります。

2必要なライブラリが配布ファイルに入っているか

手順に「composer install」とあれば、コマンド操作が必要です。ZIPを展開するだけで済むかどうかを見てみましょう。

3ドキュメントルートを変える必要があるか

公開フォルダを「public」などに向ける設定のことです。サブドメインごとに公開フォルダを指定できるサーバーなら対応できますが、できないプランもあります。

※変更できないサーバー向けに、転送用の .htaccess を同梱しているツールもあります(Leantime と GeckoFlag は同梱)。

4設定ファイルを手で書き換える必要があるか

データベースの接続情報をファイルに書く方式か、画面に入力する方式か。ファイルに書く方式だと、ファイルマネージャーやFTPでの編集が必要になります。

5更新をどうやって行うか

導入は一度きりですが、更新は何度もやってきます。コマンドが必要なのか、ファイルの入れ替えなのか、管理画面で完結するのかを確認しておきましょう。

ちなみに、3と4は「できない」ではなく「ひと手間かかる」という条件です。FTPや設定ファイルに慣れている人なら問題になりません。「チームの中で、誰が作業するんだろう?」と思い浮かべながら見るのがコツです。

3つのツールを早見表で比べてみました

Leantime、Kanboard、GeckoFlagを、前の章のチェックポイントで並べてみました。Dockerを使わない導入方法で比べています。

項目 Leantime Kanboard GeckoFlag
料金無料(AGPLv3)。有料のプラグインとクラウド版あり無料(MITライセンス)4,800円の買い切り。オープンソースではない(商用ライセンス)
PHP8.2以上8.1以上8.2以上
データベースMySQL 8.0以上、またはMariaDB 10.6以上SQLite(標準)、MySQL、MariaDB、PostgreSQLMySQL 5.7以上、またはMariaDB 10.3以上
ドキュメントルートの変更△公式手順は public フォルダに向ける転送用の .htaccess も同梱○不要○不要同梱の .htaccess が自動で振り分け
設定ファイルの編集手動必要config/.env に接続情報を書く○不要(SQLiteの場合)MySQLなどを使う場合は必要(手動)。config.php に接続情報を書く○不要インストーラーの画面に入力
初期設定/install の画面で管理者を作成初期アカウント(admin/admin)でログインし、パスワードを変更インストーラーで環境チェックから管理者作成まで
更新の方法ファイルを入れ替える。データベースの変更は /update の画面で適用新版を展開し、data フォルダと設定ファイルをコピー管理画面にZIPをアップロード。適用前に自動でバックアップ
主な機能カンバン、ガント、表、カレンダー、マイルストーン、スプリント、工数記録、Wikiカンバン(ドラッグ&ドロップ対応)、サブタスク、スイムレーン、自動アクション、時間記録課題、親子課題、カンバン(ドラッグ&ドロップ対応:Ver1.8.0から)、ガント、Wiki、ファイル共有
日本語言語ファイルあり言語ファイルあり対応(15言語)
開発の状況開発元の企業が継続して開発メンテナンスモード。最新は1.2.54(2026年8月28日)Ver1.8.0(2026年10月9日)
共用サーバーへの姿勢公式にcPanel向けの導入ガイドあり公式FAQは共用サーバーを非推奨レンタルサーバーでの利用を前提に設計

○=作業なし、△=ひと手間かかる、手動=ファイルを自分で書き換える、という目印です。出典は記事末尾の参考情報にまとめています。確認日は2026年10月4日です。
※GeckoFlag は .htaccess(mod_rewrite)が使えるサーバーが前提です。使えない場合は webroot フォルダをドキュメントルートに向けます。

表だけを見ると、導入がいちばん軽いのはKanboardです。SQLiteを使えば、データベースを作る作業すら要りません。ただ、公式が共用サーバーをおすすめしていない点は、選ぶ前に知っておきたいところです。

各ツールの特徴と、向いているチーム

Leantime:無料で使えるオープンソース。導入にはひと手間

Leantimeは、PHPとMySQLで動くオープンソースのプロジェクト管理ツールです。カンバン、ガント、表、カレンダーの各表示に加えて、マイルストーン、スプリント、工数の記録、Wikiまでそろっています。公式のREADMEには、これらはすべてオープンソース版に含まれると書かれています。二要素認証、LDAPやOIDCでのログイン、API、Slackなどとの連携もあります。

うれしいのは、共用サーバーへの導入について、公式がcPanel向けの手順を公開していること。流れは次のとおりです。

  1. コントロールパネルでデータベースとユーザーを作る
  2. ZIPをアップロードして展開する
  3. サブドメインのドキュメントルートを public フォルダに向ける
  4. config フォルダの sample.env を .env に改名し、データベースの接続情報を書く
  5. ブラウザで開き、管理者アカウントを作ってインストールする

※手順3について:変更できないサーバー向けに、転送用の .htaccess を同梱しているツールもあります(Leantime と GeckoFlag は同梱)。

向いているチーム

  • 費用をかけずに、工数管理やスプリントまで使いたい
  • FTPや設定ファイルの編集に慣れた人がいる
  • 二要素認証や外部サービスとの連携が必要

注意点

  • 公式の手順はドキュメントルートの変更が前提です。変えられないプランでは、同梱の .htaccess による転送に頼ることになります。
  • 必要なPHP拡張の数が多めです。契約中のサーバーで有効になっているかを、先に確認しておきましょう。
  • メンバーを招待するには、SMTP(メール送信)の設定が必要です。
  • 更新はファイルの入れ替えです。事前のバックアップは自分で取ります。

Kanboard:カンバンに絞った軽さ。開発はメンテナンスモード

Kanboardは、カンバン方式に絞ったオープンソースのツールです。ボード、サブタスク、スイムレーン、自動アクション、時間の記録といった機能があり、MITライセンスで公開されています。ボード上のカードは、ドラッグ&ドロップで動かせます。ガントチャートやWikiは、本体には入っていません。

導入はとにかく軽く、ZIPを展開して data フォルダに書き込み権限があれば動きます。標準のデータベースはSQLiteなので、データベースを作る作業も要りません。初期アカウントでログインしたら、すぐにパスワードを変更しましょう。

向いているチーム

  • カンバンボードだけあれば足りる
  • 1人、または数人で使う
  • 機能が増えない、安定したツールが好み

注意点

  • 公式FAQは、共用サーバーでの利用をおすすめしていません。自前のサーバーを使うよう案内しています。
  • 公式のREADMEに、メンテナンスモードであると明記されています。作者は大きな新機能を開発しておらず、コミュニティからの修正をもとにリリースが続いています。
  • Apacheの mod_security とは互換性がないと、公式の要件に書かれています。サーバー側で有効になっていないかを確認してみてください。
  • SQLiteは1人か小さなチーム向けです。data フォルダにはデータベースと添付ファイルが入るので、URLから見えないようにする設定が必要です。

GeckoFlag:導入から更新までブラウザで完結。4,800円の買い切り

ここで少しだけ、当サイトが提供している「GeckoFlag」もご紹介させてください!
GeckoFlagは、買い切りのプロジェクト・課題管理ツールです。課題、親子課題、コメント、カンバンボード、ガントチャート、Wiki、ファイル共有をひとつにまとめています。

設計の出発点が「レンタルサーバーに、自分で入れて使える」ことなので、導入の作業はブラウザだけで終わります。ファイルを置いてドメインを開くとインストーラーが始まり、環境のチェック、データベースの接続情報の入力、管理者アカウントの作成へと進みます。設定ファイルを書き換える作業はありません。

更新も管理画面から。新しいバージョンのZIPをアップロードすると、バックアップ、ファイルの置き換え、データベースの更新まで自動で進みます。

もうひとつの強みが、画面のわかりやすさです。デザイナーやディレクター、クライアントなど、エンジニアではない人でも迷わず使えるUIにしています。「ツールを入れたのに、開発メンバーしか使ってくれない…」となりにくいのがポイントです。

向いているチーム

  • サーバーに詳しい人がいない
  • デザイナーやディレクターなど、エンジニアではないメンバーも一緒に使う
  • クライアントや外注先を、ゲストとして招きたい。ゲストに見えるのは、参加しているプロジェクトだけです
  • ロゴやサイト名を差し替えて、自社のツールとして使いたい

注意点

  • 無料ではありません。4,800円の買い切りで、オープンソースでもありません。サーバー代は別にかかります。
  • 工数の記録、スプリント、マイルストーン、二要素認証はありません。外部サービスとの連携は、Claudeデスクトップアプリから操作するClaude連携(v1.11.0以降。APIトークンで接続)だけで、Slackなどとの連携やWebhookはありません。これらが欠かせないチームには向いていません。
  • カンバンボードのカードをドラッグしてステータスを変える操作は、Ver1.8.0からの対応で、PCのみで使えます。
  • 導入のときと、その後の定期的な再確認のときに、ライセンス認証のための外向きの通信(HTTPS)が必要です。
  • サーバーごとの導入手順として公開しているのは、いまのところNamecheapでの導入例です。

実際の画面はデモで試せるので、気になる方はぜひ触ってみてください。

チームの状況別の選び方

3つは「どれが上か」ではなく、チームの状況で向き・不向きが分かれます。次の目安で考えると整理しやすくなります。

チームの状況 合いやすい選択
費用はかけたくない。工数管理やスプリントも使いたい。設定ファイルを触れる人がいるLeantime
カンバンボードだけで足りる。1人か数人で使うKanboard(共用サーバー非推奨の点は承知のうえで)
サーバーに詳しい人がいない。導入も更新もブラウザで済ませたい。デザイナーや非エンジニアも使う。クライアントを招きたいGeckoFlag
Git連携、細かい権限、大人数での運用が必要レンタルサーバーにこだわらず、VPSでRedmineなどを検討
サーバーの管理そのものを持ちたくないクラウドのサービスを検討

「どれにしよう…」と迷ったら、まず無料の2つを入れて触ってみるのがおすすめです。レンタルサーバーなら、サブドメインを1つ作るだけで試せます。GeckoFlagは、購入前にデモで画面を確認できます。

どれを選んでも共通する4つの注意点

レンタルサーバーに自分で入れる以上、どのツールを選んでも、次の4つは自分たちの仕事になります。

1バックアップは自分で取る

クラウドのサービスと違って、データを守るのは利用者です。データベースとアップロードしたファイルの両方を、定期的に手元へ保存しておきましょう。

GeckoFlagは管理画面から手動でバックアップを取る方式で、決まった時刻に自動で取ってくれるわけではありません。LeantimeとKanboardも、公式の手順では「更新の前に自分でバックアップを取ること」と案内されています。サーバー側に自動バックアップの機能があれば、あわせて有効にしておくと安心です。

2PHPのバージョンは、いずれ上げることになる

レンタルサーバーは、古いPHPの提供を順番に終了していきます。ツールが新しいPHPに対応しているか、更新が続いているかは、数年使ううえでじわじわ効いてきます。早見表に「開発の状況」を入れたのは、このためです。

3メール通知はサーバーの設定に左右される

「通知メールが届かない」「迷惑メールに入ってしまう」というのは、セルフホストでよくあるつまずきです。送信元のアドレスを独自ドメインにして、SPFなどの設定を確認しておきましょう。

4公開範囲と更新は利用者の責任

ログイン画面はインターネットに公開されます。初期パスワードの変更、HTTPSの有効化、ツールの更新を続けることが前提です。

どのツールにもログインを保護する仕組みはありますが、サーバーの管理まで含めて面倒を見るのは利用者です。「そこまでは持ちたくないな…」という場合は、クラウドのサービスのほうが合っています。

よくある質問

レンタルサーバーでDockerは使えますか?

一般的な共用のレンタルサーバーでは使えません。Dockerを動かすには、VPSやクラウドのように、サーバー全体を自分で管理できる環境が必要です。手順にDockerが出てくるツールは、レンタルサーバー以外の置き場所を前提にしています。

Redmineはレンタルサーバーに入れられますか?

公式の手順はコマンド操作が前提で、Rubyの実行環境も必要です。ブラウザとFTPだけでは導入できません。くわしくはGeckoFlagとRedmineの比較で、導入の違いを整理しています。

無料のオープンソースと買い切りのツールは、どちらが安く済みますか?

ソフトウェアの費用だけなら、無料のオープンソースです。差が出るのは、導入と更新にかかる「人の時間」。設定ファイルの編集やファイルの入れ替えに慣れた人がいれば、無料のツールで十分です。慣れた人がいない場合は、その作業時間も費用として見積もってみてください。

PHPが動くレンタルサーバーなら、どこでも動きますか?

どこでも動く、とは言えません。PHPのバージョン、必要な拡張、データベースの種類とバージョンが、ツールの要件を満たしている必要があります。ドキュメントルートを変えられるか、WAFの設定を調整できるかも、サーバーとプランによって違います。契約の前に、ツールの要件とサーバーの仕様を見比べてみてください。

あとから別のツールに乗り換えられますか?

乗り換えはできますが、データをそのまま移せるとは限りません。多くの場合、課題の一覧をCSVで書き出して取り込む形になり、コメントや添付ファイルは移せないことがあります。GeckoFlagの場合も、CSVでの取り込みは新規登録の扱いで、課題番号は振り直されます。最初の1案件を小さく試してから、本格的に使いはじめるのが安全です。

まとめ:置き場所に合ったツールから選ぼう

レンタルサーバーしかないなら、Dockerが前提のツールで悩むより、PHPとデータベースだけで動くツールから選ぶのが近道です。

  • 無料で、工数管理やスプリントまで使いたいなら、Leantime。設定ファイルの編集ができれば、共用サーバーに入れられます。
  • カンバンだけを軽く使うなら、Kanboard。導入は3つの中でいちばん簡単ですが、公式は共用サーバーをおすすめしていません。
  • 導入も更新もブラウザで済ませたいなら、GeckoFlag。4,800円の買い切りで、デザイナーや非エンジニアにもわかりやすい画面です。クライアントや外注先もゲストとして招けます。

どれを選ぶ場合も、導入手順のページで「ドキュメントルート」「設定ファイル」「更新の方法」の3点を先に確認してみてください。GeckoFlagの導入の流れはマニュアルに、料金は料金ページにあります。

月額の費用を見直したい方は、Backlogの料金改定を試算した記事もあわせてどうぞ。この記事が、チームに合ったツール選びのヒントになればうれしいです!

参考情報

※各ツールの仕様は、2026年10月4日時点の情報です。導入の前に、公式ページで最新の内容を確認してください。