プロジェクト管理ツールのAI機能はいくらかかる?課金方式のタイプと人数別の試算
プロジェクト管理ツールにAI機能が載るのは、すっかり当たり前になりました。でも「AIを使うと、結局いくらかかるの?」は、料金表を見てもなかなか分かりませんよね。
月額に含まれるツールもあれば、クレジットを消費するツール、人数分のアドオンを買うツール、AIの会社に直接支払うツールもあるからです。
この記事では、主なプロジェクト管理ツールのAI機能を課金方式で5つに分け、5人・10人・20人のチームで月にいくらかかるかを試算します。
先に結論
- AIの費用は、ツール本体の料金とは別の軸で決まります。見るべき点は「何に比例して増えるか」です。
- 席数に比例する方式は、使う人が少なくても全員分の費用がかかります。回数に比例する方式は、使わなければほぼ0円です。
- クレジット制は「月額に含まれる」と書かれていても、含まれる回数は多くありません。Jira Standardは1ユーザーあたり月25クレジットで、チャットの簡易回答なら2.5回分です。
- 10人が月に合計1,000回使う想定では、APIキー持ち込み型は月1〜2ドル、席ごとのアドオンは月90ドル、クレジット制の超過分は月93〜97.50ドルになりました。
- ただし、できることはツールごとに大きく違います。料金だけで選ぶと、欲しかった機能がないことがあります。
※この記事は、GeckoFlagの開発元が書いています。料金と仕様は、すべて2026年10月11日に各社の公式ページで確認した内容です。
AIの課金方式は5タイプに分かれる
AIの費用が「何に比例して増えるか」で分けると、次の5タイプになります。
| タイプ | 費用が増える条件 | 代表例 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 1. プラン同梱+クレジット制 | 同梱分を超えた回数 | Jira、Asana、Plane(クラウド版)、Leantime(クラウド版) | 同梱分が何回分かを計算しないと実費が読めない |
| 2. 上位プラン限定 | プランの差額と、追加クレジット | Backlog、Notion | AIを使うためにプランを上げる必要がある |
| 3. 席ごとのアドオン | メンバーの人数 | ClickUp | 使わない人の分もかかる |
| 4. APIキー持ち込み | 使った回数と文章量 | GeckoFlag、Plane(セルフホスト商用版)、Redmine+AI Helperプラグイン | APIキーの取得と管理を自分で行う |
| 5. 未搭載・開発中 | かからない | OpenProject | 外部のAIツールと組み合わせることになる |
タイプ1〜3はツールの提供元に支払う方式、タイプ4はAIの提供元(AnthropicやOpenAIなど)に直接支払う方式です。
タイプ4はツール側の上乗せがないぶん、単価は安くなります。そのかわり、設定と管理の手間は利用者側に来ます。
ツール別のAI料金(2026年10月時点)
ここからは、ツールごとにAI機能の料金を見ていきます。
Jira(Rovo):有料プランにクレジットを同梱
- 有料プランにRovoクレジットが含まれます。1ユーザーあたり月にStandardが25、Premiumが70、Enterpriseが150です。
- クレジットは組織全体で合算され、毎月リセットされます。繰り越しはありません。
- Rovo検索、用語の定義、要約は無料です。チャットの簡易回答などは1回10クレジット、高度な機能は内容に応じた変動制です。
- 2026年12月3日から、同梱分を超えた利用への課金が始まります。定価は1クレジット0.01ドルです。
- 超過利用は初期状態で有効です。管理者は上限額を設定でき、無効にもできます。
Backlog(Backlog AIアシスタント):上位プランに組織単位のクレジット
- 対象はプレミアムプラン(月27,000円)とプラチナプラン(月75,000円)です。価格は税抜です。
- クレジットは組織に対して毎月付与されます。プレミアムが2,000、プラチナが5,000です。
- 1回の質問・指示で約10クレジットが目安とされています。プレミアムなら月に約200回分です。
- 上限に達すると翌月1日まで使えません。続けて使うには追加パックを購入します。月額でライト(2,000クレジット)が9,900円、ベーシック(5,000)が22,000円、アドバンス(9,000)が34,650円です。いずれも税込です。
- 利用の有効・無効はスペース単位で、ユーザーごとの制限はできません。
- 2027年1月1日からプランが新しくなり、AIアシスタントを使えるプランも変わると案内されています。プラン改定の詳細はBacklogの値上げを解説した記事をご覧ください。
ClickUp(Brain):1ユーザーごとのアドオン
- 料金ページのAI欄では、Brain AIが1ユーザー月9ドル、Everything AIが月28ドルです。
- Brain AIはAIチャットと文章作成が無制限です。エージェントや自動化には、1ユーザーあたり月1,500のAIクレジットが付きます。
- 追加クレジットは10,000あたり10ドルです。
- 同じページには、AIクレジットを含む新しいプラン(Coreが月8ドル、Businessが月17ドル)も掲載されています。契約前に、どちらの体系が適用されるかを確認してください。
Asana:有料プランに少量のリクエストを同梱
- 有料プランにAI機能が含まれます。Starterは年払いで1ユーザー月10.99ドルです。
- AIチームメイトとAsana Dashは、1ユーザーあたり月5リクエストです。StarterとAdvancedでは、アカウント全体で月50リクエストが上限です。
- 追加のリクエストは、前払いで1回0.50ドル、従量払いで1回0.60ドルです。
- プロジェクトやタスクに組み込まれたAIアシストは、有料プランに含まれます。
Notion:Businessプラン以上
- チャットや文書生成を行うNotionエージェントは、Businessプラン(1メンバー月20ドル)以上で使えます。
- フリーとプラス(月10ドル)は試用のみです。
- 作業を自動で進めるカスタムエージェントは別料金で、1,000クレジットあたり月10ドルです。
Plane:クラウド版はクレジット、セルフホスト版はAPIキー持ち込み
- クラウド版は、Pro(1席月6ドル)に1席あたり月500クレジット、Business(月13ドル)に月1,000クレジットが付きます。
- セルフホストの商用版は、自分で用意したOpenAI、Anthropic、AWS BedrockなどのAPIキーで動かします。
- ただし設定手順では、AI専用のデータベース、OpenSearch、埋め込みモデルの用意が必要です。導入の手間は大きめです。
Leantime:クラウド版に月500クレジット
- クラウド版のLeantime Proは1ユーザー月10ドル(年払いなら月8ドル)で、月500のAIクレジットが付きます。
- 同じページの機能表では、オープンソース版のAIの欄にチェックがありません。
Redmine:本体にはなく、プラグインで追加
- Redmine本体にAI機能はありません。AI Helperプラグイン(MITライセンス)で追加できます。
- AIチャット、課題やWikiの要約、子チケットの生成、類似課題の検索、プロジェクトの健全性レポートなどに対応します。
- OpenAIまたはAnthropicのAPIキーを自分で用意します。利用料はAIの提供元に支払います。
- 類似課題の検索にはベクトルデータベースのQdrantが必要で、Anthropicのモデルでは使えません。
OpenProject:開発中
- 公式のAIロードマップでは、外部に依存しない自社のLLM基盤などが開発中とされています。提供済みのAI機能は、このページには記載されていません。
人数別の試算:5人・10人・20人だと月にいくら?
「うちのチームだと、いくらになるの?」をイメージしやすいように、1人が月に100回AIを使うチームを想定して、AIのために追加でかかる月額を計算してみました。ツール本体の料金は含みません。
| ツール(方式) | 5人・月500回 | 10人・月1,000回 | 20人・月2,000回 |
|---|---|---|---|
| GeckoFlagAPIキー持ち込み | 0.5〜1ドル | 1〜2ドル | 2〜4ドル |
| ClickUp Brain AI席ごとのアドオン | 45ドル | 90ドル | 180ドル |
| Jira Premiumクレジットの超過分 | 46.50ドル | 93ドル | 186ドル |
| Jira Standardクレジットの超過分 | 48.75ドル | 97.50ドル | 195ドル |
| Backlog プレミアム追加パック | 22,000円 | 34,650円 | 要問い合わせ |
ドルと円は換算せず、各社の表示通貨のままにしています。Backlogの追加パックは税込です。
計算の前提
- GeckoFlag:1,000文字の議事録から約1,500文字の課題の説明を作る場合、1回およそ0.001〜0.002ドルです(Claude Haiku 5.5、GeckoFlagの機能ページの料金の目安)。上位モデルを選ぶと、Claude Sonnet 5.5で約20倍、Claude Opus 5.5で約40倍になります。
- ClickUp:Brain AIの1ユーザー月9ドルに人数を掛けました。AIチャットと文章作成は無制限のため、回数が増えても金額は変わりません。
- Jira:すべて1回10クレジットの操作として計算しました。10人なら10,000クレジットが必要で、同梱分(Premiumは700、Standardは250)を引いた残りに1クレジット0.01ドルを掛けています。超過分の課金は2026年12月3日からです。要約など無料の機能だけを使う場合はかかりません。
- Backlog:1回10クレジットで計算しました。5人なら5,000クレジットが必要で、同梱の2,000では3,000足りないため、ベーシックパック(税込22,000円)が必要です。10人は8,000足りず、アドバンスパック(税込34,650円)になります。20人は18,000足りず、9,000を超える追加は問い合わせが必要です。
- Asana、Notion、Plane、Leantimeは、1回の操作で消費する量が公開情報からは計算できないため、表から除いています。
利用が少ない場合は差が縮まる
同じ10人でも、1人が月に10回しか使わないなら、結果はガラッと変わります。合計100回・1,000クレジットの場合、Backlogのプレミアムは同梱分に収まります。Jiraの超過分はPremiumで3ドル、Standardで7.50ドル。GeckoFlagは0.1〜0.2ドルです。ClickUpのアドオンは、回数に関係なく90ドルのままです。
クレジット制は軽く使うチームに、席ごとのアドオンは全員が毎日使うチームに向いています。APIキー持ち込みは、どちらの使い方でも単価が変わりません。
料金だけでは比べられない3つの違い
ここまで金額を並べてきましたが、安い方式が常にお得とは限りません。料金表には出てこない違いが、少なくとも3つあります。
1できることの範囲
いちばん大きいのが、AIに任せられる作業の違いです。
| やりたいこと | Jira・Backlog・ClickUp | Redmine+AI Helper | GeckoFlag |
|---|---|---|---|
| 蓄積した課題を横断して質問する | ○できる | ○できる | ×できない |
| 進捗レポートを作る | ○できる | ○できる | ×できない |
| 課題やコメントの下書きを作る | ○できる | ○できる | ○できる |
| スクリーンショットから起票する | ツールによる | 添付ファイルの解析に対応 | ○できる |
JiraやBacklogのAIは、たまったデータを読んで答える「相談相手」です。GeckoFlagのAIは、貼り付けた文章や画像から入力案を作る「入力支援」で、横断検索やレポート作成はできません。
2データの送り先
- SaaS組み込み型では、データはツールの提供元と、その先のAI事業者で処理されます。Backlogは入力したデータをAIモデルの学習に使わないと明記しています。
- APIキー持ち込み型では、自分が契約したAI事業者に直接送信されます。規約を自分で確認できる反面、確認する責任も自分にあります。
- どちらの方式でも、入力した内容は外部に送信されます。社内規定や取引先との契約で制限されていないか、導入前に確認してください。
3管理者が費用を止められるか
- Jiraは、超過利用の上限額を管理者が設定できます。ただし超過利用は初期状態で有効です。
- Backlogは、上限に達すると自動で止まります。利用の有効・無効はスペース単位で、ユーザーごとには制限できません。
- GeckoFlagは、初期状態では誰も使えません。管理者がユーザーごとに許可し、1人あたりの1日の回数上限を設定できます。
どの方式を選ぶ?チームの状況別の目安
ここまでの内容を、チームの状況ごとにまとめると次のようになります。
| チームの状況 | 向いている方式 |
|---|---|
| 過去の課題を横断して調べたい、レポートを自動で作りたい | SaaS組み込み型(Jira、Backlog、ClickUp) |
| 全員が毎日何度もAIを使う | 席ごとのアドオン(ClickUp Brain AI) |
| 使うのは一部の人で、回数も多くない | クレジット制、またはAPIキー持ち込み |
| 起票や文章作成の手間だけ減らせればよい | APIキー持ち込み(GeckoFlag、Redmine+AI Helper) |
| データを外部に送れない | AIを使わない、または自前のモデルで動かせるツール(Planeのセルフホスト商用版など) |
迷ったときは、まず「誰が月に何回使うか」を数えてみてください。その数字を上の試算に当てはめると、方式ごとの差が具体的な金額で見えてきます。
GeckoFlagの「AIで作成」の場合
最後に少しだけ、当サイトの「GeckoFlag」についてご紹介させてください。GeckoFlagは、レンタルサーバーに設置して使う買い切り型のプロジェクト管理ツールです。AI機能「AIで作成」は、タイプ4のAPIキー持ち込み方式を採用しています。
- できること:議事録やメモ、チャットのスクリーンショットから、課題・コメント・プロジェクト・Wikiの入力案を作ります。
- 保存は人が行う:AIは提案するだけです。チェックを入れた項目だけがフォームに入り、保存はこれまでどおりのボタンで行います。
- 料金:Anthropicで自分が発行したAPIキーを登録します。利用料はAnthropicに直接支払い、GeckoFlagの価格には含まれません。
- 1回の目安:Claude Haiku 5.5でおよそ0.001〜0.002ドルです。スマートフォンのスクリーンショットを1枚添付すると、約0.0004ドルが加わります。
- 管理:ユーザーごとの利用許可、1日の回数上限、APIキーの暗号化保存に対応しています。
GeckoFlagのAIが向かない点
もちろん、向かない点もあります。
- 対応するAIはAnthropicのClaudeだけです。OpenAIなど他社のモデルは選べません。
- 蓄積した課題を横断して質問する機能や、レポートを作る機能はありません。
- サーバーからapi.anthropic.comへHTTPSで接続できる必要があります。レンタルサーバーによっては、外向きの通信が制限されています。
- APIキーの取得とクレジットの購入は、自分で行います。手順はご利用手順(Claude APIの設定方法)にまとめています。
まとめ:「AI込み」の中身を確かめよう
AI機能の費用は、席数に比例するか、回数に比例するかで大きく変わります。料金表の「AI込み」という表記だけで判断せず、同梱分が何回分か、超えたときにいくらかかるかを確認してみてください。
Jiraは2026年12月3日から超過分の課金が始まり、Backlogは2027年1月1日からプランが変わります。どちらも、AIの使い方と費用を見直すいい機会になりそうです。この記事が、チームに合ったツール選びのヒントになればうれしいです!
参考情報
- How Rovo credits work(Atlassian Support)
- Backlogの料金プラン
- Backlog AIクレジット(Backlog ヘルプセンター)
- Backlog AIアシスタント
- 【重要】2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります(Backlogブログ)
- ClickUp Pricing
- Asana Pricing
- Notion Pricing
- Plane Pricing
- Plane Self-hosted
- Configure Plane AI(Plane Developer Docs)
- Leantime Pricing
- Redmine AI Helper Plugin(GitHub)
- OpenProject AI roadmap
- Pricing(Claude Platform Docs)
※料金と仕様は、2026年10月11日に上記のページで確認した内容です。契約や導入の前に、各社の公式ページで最新の情報を確認してください。